流行牽引
ヴィトンの40%の使用者は日本人であると言われています。このように多くの日本人が高級ブラン
ドを手にするようになった理由の一つに、ブランドにたいする西欧にはない、日本独特の認識がかかわっているといわれています。そこでどのような違いがあるのか考えてみましょう。
西欧で高級ブランド商品を手にいれることができるのはいわゆる一部のお金持ちで、いまだ階級意識の強い社会にあって、セレブの持ち物に興味を抱く庶民は多くはいません。ところが、幸運な?ことに 一億数千万人皆中流の日本にあっては、そもそもセレブという言葉は存在しませんでした。ある日おしゃれな女優さんがヴィトンのバッグを持ってテレビの画面に姿をみせ、その洗練されたデザインに視聴者が魅了されたとして、私もあの女優さんのようにあのバッグを肩にかけたいと思っても少しも不自然ではありません。同じ庶民ですから彼女が持つことができるものは、その気になれば私にもできなくはないのです。この意識がブランドに対する認識の違いをうみました。
日本では初期のブランドセッターは、クオリティーとファッション性に目を付けたファッションに敏感な女優さんたちでした。ですから多大な努力を払っても一旦その商品を身につけてしまえば、それは、その女優さんと同じステータスを所有者にイメージ付けてくれるアイテムと化すのです。西欧でハイブランドが特権階級の人に限られたステータスの記号としての意味をより強く持つのに対して、日本ではブランド商品はファションのアイテムとしての要素とステータスの象徴としての要素を兼ねているのです。バーキンを持った女性が980円のティーシャツを身に付けて外出すことが考えられない西欧にたいして、日本では、ティファニーのリングと100円ショップのリングが同じ指に仲良く並んでるというような自由な使用法が度々みられます。ブランドがステータスの象徴としてのみ使用されていたら、現在の日本の広範な支持は得られなかったでしょう。